パッサッジョを乗り越えるために大切な4つのポイント
「高い音になると、急に声が苦しくなる」
「ある音から喉に力が入ってしまう」
「声がひっくり返る、あるいは急に違う声になってしまう」
このような悩みには、声楽発声における**「パッサッジョ」**が深く関係しています。
パッサッジョとは、低い音域から高い音域へ移っていく途中で、発声のバランスに変化が必要となる移行領域のことです。
しかし、パッサッジョは力で突破する「壁」ではありません。
大切なのは、良い発声を保ちながら、音域の上昇に合わせて身体と声の状態を少しずつ変化させていくことです。
本書では、そのために重要となる考え方を4つのポイントに整理しました。
1.アッポッジョによって息を押しすぎない
2.パッサッジョに入る前から少しずつ準備する
3.身体は働かせても、喉で高音を持ち上げない
4.「声を変える」のではなく、良い発声を高音までつなげる
そして、この4つの土台として詳しく取り上げるのが、声楽発声における重要な考え方であるアッポッジョです。
アッポッジョとは、単純に「お腹に力を入れて歌うこと」ではありません。
息を吸ったときに生まれる肋骨、脇腹、背中などの立体的な広がりをすぐにつぶさず、身体の働きによって呼気をコントロールしていく。
身体は働いている。しかし、息は押しすぎない。
喉は自由で、声は楽である。
このようなバランスを作ることが、パッサッジョを滑らかに通過するための重要な土台になります。
高音だからといって、大量の息を送り込む必要はありません。
高音を喉で持ち上げる必要もありません。
そして、パッサッジョに来た瞬間、まったく別の声へ切り替えようとする必要もありません。
まずは楽に歌える中音域で、アッポッジョがあり、喉が自由で、声に芯と響きのある発声を作る。
そして、その良い状態をできるだけ壊さず、高音に適した発声へ少しずつ変化させながらつなげていく。
本書では、パッサッジョを「乗り越えなければならない難所」としてではなく、良い中音域の発声が高音域の発声へと自然に姿を変えていく場所として考えていきます。
高音になると喉が苦しくなる方。
声の切り替わりが目立ってしまう方。
パッサッジョをどのように練習すればよいのか分からない方。
アッポッジョと高音発声の関係を知りたい方。
そして、低音から高音まで一本につながった自由な声を目指している方へ。
パッサッジョは、力で突破するものではありません。
身体と呼吸と声のバランスを整え、その変化を邪魔せずに通過していくものです。
本書が、自分自身の発声を見直し、より楽に、より自然に高音へつながる声を作るための一助となれば幸いです。
著者:中山シンジ
※書籍情報・権利について
本書の本文は約32,000文字です。
本書の著者名、タイトル、本文および表紙画像については、出版・販売するために必要な権利を有していることを確認しております。
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